いわゆる「シフト制」とは?働く皆さんも知っておくべき留意事項を確認しよう!(いわゆる「シフト制により就業する労働者の適切な雇用管理を行うための留意事項)

こんにちは、スピカ社会保険労務士事務所スタッフのIです。

厚生労働省より、「いわゆるシフト制」について、留意事項が公表されました。

「いわゆるシフト制」で働く方々の労務管理を適切に行うため、

使用者がそれらに留意することで労使双方にとってよりよい働き方を目指しましょうという事項です。

私も学生時代は書店でアルバイトをしていました。

 週3で学校終わりに通い、たまに土日にも入ったりして。時間も基本的には5時間の勤務と決まっていて、夏休みなどのときにはもっと長く入ることもしばしば。いわゆる、「いわゆるシフト制」でした。

先ほどから出ているこの、「いわゆるシフト制」とはなんでしょう?

厚生労働省の留意事項では下記のように定義されています。

「シフト制」とは?

この留意事項で、「シフト制」とは、労働契約の締結時点では労働日や労働時間を確定的に定めず、一定期間(1週間、1か月など)ごとに作成される勤務シフトなどで、初めて具体的な労働日や労働時間が確定するような勤務形態を指します。

ただし、三交替勤務のような、年や月などの一定期間における労働日数や労働時間数は決まっていて、就業規則等に定められた勤務時間のパターンを組み合わせて勤務する形態は除きます。

経験されたことのある方も多いかと思います。

今現在「いわゆるシフト制」で働かれている方もいるかと思います。

今回はこの『いわゆる「シフト制」により就業する労働者の適切な雇用管理を行うための留意事項』についてご紹介していきますので、労働者の皆さんも働く上での知識をつけていきましょう。

応募をする時の留意点

求人に応募するときには、労働条件などが書かれている応募内容を確認しますよね。業務内容・労働時間・賃金等をしっかり確認しましょう。

※使用者はここをチェック※

会社は募集時、労働者となろうとする者に対して、労働条件を明示しなければならないと決められています。

可能な限り具体的かつ詳細に明示するよう配慮が必要です。

求人票等への記載も同様です。

採用が決まったら?

 ご自身がシフト制で働くとき、会社から自分の労働条件が明示されているか、どのように設定されているか確認しておきましょう。

下記の項目は必ず明示されなければならない事項として定められているものです。これらが確認できるかどうかがチェックポイントです。

必ず明示しなければならない事項

※書面で交付しなければなりません※

・契約期間

・期間の定めがある契約を更新する場合の基準

・就業場所、従事する業務

・始業・終業時刻、休憩、休日など

・賃金の決定方法、支払い時期など

・退職(解雇の事由を含む)

・昇給

※使用者はここをチェック※

会社側は労働契約の締結時にも上記の各項目について、労働者へ明示する義務があります!

その中でも問題となりやすい「始業及び終業の時刻」や「休日」に関する事項については、特に留意してください。

働く前にあらかじめ話し合っておきたいこと

 シフトの作成や設定について、必要に応じてあらかじめ会社と話し合っておくことをおすすめします。

<シフトの作成に関するルール>

シフト制労働者の場合であっても、使用者が一方的にシフトを決めることは望ましくなく、使用者と労働者で話し合って、下記のようなシフトの決定に関するルールを定めておくことが考えられます。

シフトの作成に関するルール

・シフト表などの作成に当たり、事前に労働者の意見を聴取すること

・確定したシフト表などを労働者に通知する期限や方法

  (例:「毎月〇日までに、電子メールで等で通知する」など)

・確定したシフト表などにおける労働日、労働時間等を変更する場合の方法や期限

  ※変更する内容も、会社側と労働者側で双方に合意が必要です。

・一定の期間において、目安となる、最大・最低限労働する日数、労働時間数

  (例:「毎週月、水、金曜日から勤務する日をシフトで指定する」

  「1か月○日程度勤務」、「少なくとも毎週月曜日はシフトに入る」など)

 

 私も原則は週3勤務と決められていましたし、勤務時間もあらかじめ大枠が決められていました。その中でシフトを調整したほうが、予定なども立てやすいですよね!

実際に働くときは

  • 労働時間

シフト制労働者の場合であっても、1日8時間以内、1週 40 時間以内の法定労働時間を遵守する必要があります。

  • 休憩

シフト制労働者の場合であっても、労働時間が6時間を超える場合は少なくとも 45 分、8時間を超える場合は少なくとも1時間の休憩時間を労働時間の途中に与えなければなりません。

  • 年次有給休暇

シフト制労働者の場合であっても、雇入れの日から起算して6か月間継続勤務し、全労働日の8割以上出勤したときは、労働基準法所定の日数の年次有給休暇を付与しなければなりません。

  • 休業

使用者は、使用者の責に帰すべき事由により労働者を休業させた場合、当該休業期間中、当該労働者に対し、平均賃金の6割以上の休業手当を支払わなければならないこととされています。

  • 労働契約の終了

・シフト制労働者が期間の定めのある労働契約

…やむを得ない事由がある場合でなければ、その契約期間が満了するまでの間において、解雇することができません。

・シフト制労働者が期間の定めのない労働契約

…解雇が「客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合」には無効となります。

  • 社会保険・労働保険の加入等

労災保険は、シフト制労働者の場合であっても、労災保険給付の対象となります。雇用保険・健康保険・厚生年金も、各制度の要件を満たしたときには被保険者となります。

※使用者はここをチェック※

 事業主は労働者が社会保険の被保険者となった場合は5日以内の手続きが必要です。

資格取得届の提出を行ってください。

最後に

シフト制に関するご相談

 もし、「シフトが一方的に減らされてしまった」などのトラブルがあった場合には、その解決方法の一つとして、個別労働紛争解決制度があります。お近くの都道府県労働局、各労働基準監督署内などに設置されている総合労働相談コーナーでも、相談に乗ってくれます。

総合労働相談コーナーのご案内|厚生労働省 (mhlw.go.jp)

厚生労働省:いわゆる「シフト制」により就業する労働者の適切な雇用管理を行うための留意事項 (mhlw.go.jp)

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