事務所衛生基準規則および労働安全衛生規則の改正に関する諮問・答申が行われました

10月11日、第140回労働政策審議会安全衛生分科会が開催され、

事務所衛生基準規則および労働安全衛生規則の改正に関する省令案要綱の諮問・答申が行われました!!

主な改正内容は以下の通りです!

事務所衛生基準規則

照度の基準>

  • 作業の区分を「一般的な事務作業」及び「付随的な事務作業」とし、
  • 一般的な事務作業➡300ルクス以上、付随的な事務作業➡150ルクス以上とする。

<便所の設置基準>

  • 基本方針男性用と女性用に区別して設けることが原則
  • 少人数の事務所における例外同時に就業する労働者が常時10人以内である場合は、現行で求めている、便所を男性用と女性用に区別することの例外として、独立個室型の便所を設けることで足りる
  • 男性用と女性用に区別した便所を各々設置した上で付加的に設ける便所の取扱い男性用と女性用に区別した便所を設置したうえで、独立個室型の便所を設置する場合は、男性用大便所の便房、男性用小便所および女性用便所の便房をそれぞれ一定程度設置したものとして取り扱うことができる

労働安全衛生規則

  • 便所の設置基準事務所衛生基準規則と同様の改正を行う
  • 救急用具安衛則633条で規定する事業者に備えることを求めている救急用具に関し、少なくとも備えなければならない品目(注)を定めている安衛則634条を削除 

(注)

  1. ほう帯材料、ピンセツトおよび消毒薬
  2. 高熱物体を取り扱う作業場その他火傷のおそれのある作業場については、火傷薬
  3. 重傷者を生ずるおそれのある作業場については、止血帯、副木、担架等


なお、便所の設置基準改正についてパブリックコメントにて「女性専用トイレを廃止すべきでない」等の意見が多数あったことを受け、施行通達において次の事項を明示し、「小規模な作業場における特例は、やむを得ない場合に限った例外規定であり、便所は男女別設置が原則」である旨を広く周知することとされています。

施行通達により明示する事項

懸念事項1: 小規模な作業場でも便所は男女別に設置するべき

  • 作業場の規模にかかわらず、便所は「男女別」が原則である旨
  • 例外規定を設けた趣旨(マンションの1室など、構造上増設が困難な場合等)
  • 同趣旨に鑑みれば、既設の男女別便所の廃止や他の用途への転用は許容されるものではない旨
  • 作業場を新たに設置する場合(新たに建物を賃借する場合を含む)においても、その後の労働者数変動の可能性を踏まえ、あらかじめ男女別の便所を確保しておくことが適当である旨


懸念事項2: 性暴力等を目的に個室内に押し入られた時に逃げられない

  • 異常事態発生時の対応(防犯ブザーの設置、管理者による外側からの緊急解錠等)


懸念事項3: 精神的苦痛が生じる(盗撮のおそれ、サニタリーボックスの管理、清潔保持、臭い等)

  • 独立個室型便所が備えるべき要件(視覚的・聴覚的遮断によるプライバシーの確保、堅牢、施錠、手洗い設備の近接した場所への設置等)
  • 盗撮防止、サニタリーボックスの管理方法、消臭や清潔の保持など便所の使用や維持・管理に関するルール・マナー

令和3年12月上旬に公布された後、便所の設置基準、救急用具に関する改正は公布日から、また照度の基準に関する改正は令和4年12月1日から施行される見通しです。

職場が基準を満たしているかどうか、今一度見直してみましょう!

第140回労働政策審議会安全衛生分科会(資料) 厚生労働省

https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_21573.html

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