スピカ社会保険労務士事務所 News Letter 2022年4月号(vol.4)

こんにちは!

スピカ社会保険労務士事務所です!

2022年4月号のNewsLetter vol.4をお届けします。

※こちらのNewsLetterですが、前回の3月号より「お知らせ」から「コラム」のほうに掲載を移動しております。

令和4年4月からの年金制度

年金制度改正法(令和2年法律第40号)等の施行により、年金制度の一部が改正されます。4月からどのように変わるのか見ていきます。

◆繰下げ受給の上限年齢引上げ

老齢年金の繰下げ年齢の上限が75歳に引き上げられます(現在の上限は70歳)。

また、65歳に達した日後に受給権を取得した場合についても、繰下げの上限が10年に引き上げられます(現在は5年)。

◆繰上げ受給の減額率の見直し

年金の繰上げ受給をした場合の減額率が、1月あたり0.4%に変更されます(現在は0.5%)。

◆在職老齢年金制度の見直し

60歳から64歳に支給される特別支給の老齢厚生年金を対象とした在職老齢年金制度について、支給停止とならない範囲が拡大されます(支給停止が開始される賃金と年金の合計額の基準が28万円から47万円に緩和。

65歳以上の在職老齢年金と同じ基準に)。

◆加給年金の支給停止規定の見直し

加給年金の加算対象となる配偶者が、被保険者期間が20年(中高齢者等の特例に該当する方を含む)以上ある老齢、退職を支給事由とする年金の受給権を有する場合、その支給の有無にかかわらず加給年金が支給停止となります(経過措置あり)。

◆在職定時改定の導入

現在は、老齢厚生年金の受給権者が厚生年金の被保険者となった場合、65歳以降の被保険者期間は資格喪失時(退職時・70歳到達時)にのみ年金額が改定されますが、在職中の65歳以上70歳未満の老齢厚生年金受給者について、年金額が毎年1回定時に改定が行われるようになります。

◆国民年金手帳から基礎年金番号通知書への切替え

国民年金制度または被用者年金制度に初めて加入する方には、「基礎年金番号通知書」が発行されることになります。既に年金手帳を所持している方には「基礎年金番号通知書」は発行されません。

新規加入の方には左の年金手帳はもう配布されなくなったということですね。

小学校休業等対応助成金の個人申請手続が改善されました

◆第6波の影響で小学校休業等対応助成金が期間延長に

 新型コロナウイルスの第6波の影響で、多くの小学校や保育園で臨時休校・休園が発生し、働く保護者は子どもの世話をするため仕事を休まざるを得ない状況になりました。

厚生労働省は、このような保護者に対して活用できる小学校休業等対応助成金の対象となる休暇期間を6月末まで延長し、個人の申請手続を改善することを公表しました。

小学校休業等対応助成金は、小学校等の臨時休校等により仕事を休まざるを得ない保護者に対して、有給休暇を取得させた事業主に賃金が全額(緊急事態宣言まん延防止等重点措置の実施区域の場合、日額最大15,000円)支給されます。

◆個人申請の場合の手続きの改善

しかし、小学校休業等対応助成金は、昨年の感染拡大時には従業員が事業主に自分で助成金のことを言い出しにくかったり、労働局に直接申請をしても後日労働局から勤め先に確認し同意が得られなければ支給されなかったりしたため、活用が進みませんでした。

 このような状況から、本助成金の個人申請の手続きが改善され、労働局の「小学校休業等対応助成金に関する特別相談窓口」で労働者からの相談内容に応じて、事業主に助成金活用の働きかけを行い、事業主が休業させたことの確認が得られていない場合でも、まずは申請を受け付けることになりました。

また、労働局は事業主に対して、事業主が小学校休業等対応助成金の活用に応じない場合の労働者個人による休業支援金・給付金の仕組みによる申請について、理解と協力を求めるリーフレットを公表しています。

詳しくは下記のリーフレットをご確認ください。

70歳までの高年齢者就業確保措置の実施状況

◆70歳までの高年齢者就業確保措置

改正高年齢者雇用安定法(2021年4月施行)により、定年を70歳に延長するなどの「就業確保措置」が努力義務として定められています。

経団連が行った調査によると、70歳までの高年齢者就業確保措置について対応済みと回答した企業は21.5%だったそうです。具体的には回答が多い順に、「検討する予定」38.6%、「対応を検討中」29.5%、「対応済み(決定済みを含む)」21.5%、「検討していない(予定なしを含む)」が10.4%となっています。

◆中小企業でも早めの対策を

70歳までの高年齢者就業確保措置は、現時点では努力義務であるため、上記のアンケートでもまだ検討予定の企業が多いですが、いずれ義務化されると思われます。

中小企業では、自社に直接的に労働力として貢献してもらうなど、大企業とは違った対応が必要とされると思われますので、対応の検討は早いほうがよいでしょう。

コロナ禍でも、運送業などでは人手不足感が強いようですので、業種によっては高齢労働者の活用はより切実な問題となっています。

◆マルチジョブホルダー制度

高齢者の働き方に関連して、65歳以上の労働者に関する新しい制度(マルチジョブホルダー制度)が、1月から始まっています。

複数の事業所で勤務する65歳以上の労働者が、そのうち2つの事業所での勤務を合計して所定の要件を満たす場合に、労働者本人がハローワークへの申出を行った日から特例的に雇用保険の被保険者となることができる制度です。

企業は、労働者からの申し出があった場合には、「雇用保険マルチジョブホルダー雇入・資格取得届」への記入や雇用の事実や所定労働時間などに関する証明資料の準備が必要となりますので、事前に確認しておきましょう。

4月の税務と労務の手続[提出先・納付先]

<11日>

  • 源泉徴収税額・住民税特別徴収税額の納付[郵便局または銀行]
  • 雇用保険被保険者資格取得届の提出<前月以降に採用した労働者がいる場合>[公共職業安定所]

<15日>

  • 給与支払報告に係る給与所得者異動届出書の提出[市区町村]

<5月2日>

  • 預金管理状況報告の提出[労働基準監督署]
  • 労働者死傷病報告の提出<休業4日未満、1月~3月分>[労働基準監督署]
  • 健保・厚年保険料の納付[郵便局または銀行]
  • 健康保険印紙受払等報告書の提出[年金事務所]
  • 労働保険印紙保険料納付・納付計器使用状況報告書の提出[公共職業安定所]
  • 外国人雇用状況の届出(雇用保険の被保険者でない場合)<雇入れ・離職の翌月末日>[公共職業安定所]
  • 公益法人等の法人住民税均等割の申告納付[都道府県・市町村]
  • 固定資産税・都市計画税の納付<第1期>[郵便局または銀行]

※都・市町村によっては異なる月の場合がある。

・土地価格等縦覧帳簿・家屋価格等縦覧帳簿の縦覧期間

(4月1日から20日または第1期目の納期限までのいずれか遅い日以降の日までの期間)